自由貿易の重要性を強調=APEC首脳会議、17日閉幕
【リマ時事】日本や米国、中国など21カ国・地域が参加するアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議は15日(日本時間16日)、ペルーの首都リマで初日の討議を終えた。日本を含む多くの首脳が、自由で開かれた貿易・投資環境を維持する重要性を強調。米国のトランプ次期大統領が関税引き上げを主張するなど「自国優先」の風潮が世界的に強まる中、域内経済の着実な成長に向け、保護主義への対抗姿勢を鮮明にした。
会議は16日(同17日)に2日目の討議を経て閉幕する。自由貿易体制を維持・強化する姿勢をどのように示すかが最大の焦点となっており、首脳宣言の採択を目指して詰めの協議を続ける。
トランプ氏が1期目の大統領に就任する直前に開かれた2016年のリマでのAPEC首脳会議は、「市場を開かれたものとして維持し、あらゆる形態の保護主義に対抗する」ことで一致した。ただ、米中の貿易摩擦は先鋭化。世界経済は不透明さが増している。
今回の首脳会議に先立って行われたAPEC閣僚会議では、閉幕後の15日も共同声明の調整を事務レベルで続けたが、合意には至っていない。
一方、首脳会議はAPEC全域での自由貿易構想「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)」実現に向け、共同研究を本格化させる。他の多国間貿易協定が導入した高水準の自由化規定などを調査し、年1回結果を評価。首脳宣言とともに取りまとめを目指す成果文書に、「新たな作業」を進めると明記する方針だ。構想を着実に前進させ、APECが重視する多国間協調の維持・強化につなげる狙いがある。
[時事通信社]
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