保護主義対抗へ協調焦点=APEC首脳会議が開幕
【リマ時事】アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が15日(日本時間16日未明)、ペルーの首都リマで2日間の日程で開幕した。次期米大統領に「自国第一」を唱えるトランプ氏の返り咲きが決まり、保護主義の拡大が懸念される中、持続的な経済成長に向け、多角的な自由貿易体制の維持・強化で協調する姿勢をどこまで打ち出せるかが焦点となる。
会議には、石破茂首相やバイデン米大統領、中国の習近平国家主席らが参加。国際情勢が大きな変化を迎える中、個別の首脳外交の行方も注目される。
14日(同15日午前)に閉幕した閣僚会議は、共同声明の採択を先送りした。貿易やデジタルなどの分野で表現の折り合いが付かなかったためで、採択に向けた事務レベルによる調整が続いた。「ルールに基づく自由貿易体制の重要性という大きな方向性は一致している」(日本政府関係者)という。
首脳会議では、APECに参加する21カ国・地域で「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)」を形成する構想の実現に向けた議論などを交わす。トランプ氏は、バイデン米政権が主導した経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」に否定的な考え。APEC首脳は、域内の経済統合を深化させていく上でFTAAP構想を推進する重要性を話し合う見通しだ。
[時事通信社]
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