国境管理と物価高を重視=渡辺靖慶応大教授―米大統領選・識者談話
渡辺靖・慶応大教授(米国研究)の話 大接戦ではあったが、予想よりも早くトランプ前大統領の優位が判明した。バイデン政権への不満が強かったということに尽きる。物価高の状況が続いている現状と、国境管理の問題などが重視された。トランプ氏は「米国が移民に侵略されている」と主張し、その負担を国民が背負わされていると強調した。このメッセージが「トランプ氏は民主主義への脅威だ」というハリス副大統領の訴えよりも有権者に響いた。
暗殺未遂事件の時の振る舞いでも、トランプ氏は非常に強い指導者だと印象付けた。トランプ氏の支持者は何かと戦う姿勢に深い共感を覚える傾向があり、失言があってもトランプ氏の致命傷にはならなかったとみられる。
ハリス氏は、バイデン政権との違いを示せなかったと有権者に評価されたのではないか。新しい施策を示しても、なぜこれまで実現してこなかったのかという疑問にうまく答えられなかった。予備選を経ておらず、準備が足りなかった部分もあっただろう。
[時事通信社]
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