イスラエル交渉団「合意可能性低い」=ハマスも強硬、ガザ停戦依然厳しく
【カイロ時事】イスラエルのメディアは4日、パレスチナ自治区ガザの停戦交渉を巡り、イスラエルの交渉団を率いる対外情報機関モサドのバルネア長官が最近、イスラム組織ハマスとの合意について「近いうちに実現する可能性は低い」と発言したと報じた。ハマス側も強硬姿勢を貫き、妥結への道のりは依然険しい状況が続いている。
バルネア氏の発言は、ハマスが拘束する人質の家族らに対し、交渉の進捗(しんちょく)状況を説明する場で飛び出した。バルネア氏は「仲介国のカタールやエジプトからまだ何の反応も受け取っておらず、待つのが最善の策だ」とした上で、「現在、合意の可能性は非常に低い」と語ったという。
停戦交渉は10月27日に約2カ月ぶりに再開され、エジプトのシシ大統領が、長期の停戦へつなげるための2日間の停戦案を提示するなど複数の案が協議されている。だが、ハマス幹部は今月1日、AFP通信に対し、ハマスが求める恒久停戦やイスラエル軍のガザ撤退が含まれていないと主張し、これらの停戦案を拒否したと表明した。
同じく仲介役の米政府の4日の発表によれば、ブリンケン国務長官はエジプトのアブデルアティ外相との電話会談で、「限られた人数の人質解放でさえも、ハマスは拒否した」と批判した。
イスラエルはガザ攻撃を続けており、ガザの保健当局は4日、北部で唯一稼働中の病院も爆撃されたと発表した。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、この空爆で子供の患者6人が負傷したとし「驚がくしている」と表明した。同当局によると、ガザではこれまでに4万3374人が、イスラエルの攻撃によって死亡した。
[時事通信社]
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