バイデン氏、トランプ氏支持者を「ごみ」呼ばわりか ハリス氏は距離置く
【ローリー(米国)AFP】米大統領選の民主党候補カマラ・ハリス副大統領(60)は30日、ジョー・バイデン大統領(81)が共和党候補ドナルド・トランプ前大統領の支持者をごみ呼ばわりしたとされる発言から距離を置こうとした。≪写真はカマラ・ハリス米副大統領≫
バイデン氏の発言は29日のビデオ会議で、トランプ氏の選挙集会で前座の講演者が米自治領プエルトリコを「ごみの浮島」と呼んだことをめぐる論争に言及したもの。
ハリス氏は首都ワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地で報道陣に対し、「まず第一に、彼(バイデン氏)は自らの発言について釈明を行った」「だが、はっきりさせておきたいのは、誰に投票するかということに基づいて人々を批判することに、私は断固反対するということだ」と語った。
遊説先に向かおうとしていたハリス氏は、自分は「すべての米国人のための大統領」になる、「私に投票するかどうかは問わない」と強調。
さらにノースカロライナ州ローリーでの選挙集会で、「私はドナルド・トランプとは違う。意見の異なる人々を敵だとは思わない」と補足した。
ハリス氏は29日、ホワイトハウス前で演説し、トランプ政権下での混乱と分裂ではなく団結を呼び掛けたが、バイデン氏の発言が影を落とす恐れがある。
共和党側は即座にバイデン氏の発言に飛びついた。
トランプ氏はノースカロライナ州ロッキーマウントでの選挙集会で、「バイデンはついに、私の支持者に関する、彼とカマラ(ハリス氏)の本音を口にした」「米国人を愛さなければ、米国を率いることはできない」と批判した。
7月に大統領選から撤退したバイデン氏の発言をめぐる論争は、バイデン氏がハリス氏の陣営からいっそう疎外されている事実も浮き彫りにした。
米メディアによれば、ハリス陣営はバイデン氏が足かせになることを恐れ、ハリス氏の選挙集会で一緒に登壇するというバイデン氏側の提案を拒否した。
■「党派間争いに油を注ぐ」
共和党支持者が多数を占める地域の民主党議員の一部も、バイデン氏の発言をめぐる論争から距離を置かなければならないと感じている。
北東部メイン州で再選を目指すジャレド・ゴールデン下院議員は「米国人や米国を『ごみ』呼ばわりする公職者や候補者は完全に間違っている」「われわれを分断する党派間争いに油を注ぐ指導者は必要ない」と批判した。
バイデン氏の発言は、NGO「VotoLatino」とのビデオ会議におけるもので、直後に拡散した。
バイデン氏は「私が目にする唯一の浮かんでいるごみは、彼の支持者(supporters)だ」「彼の、彼の、彼のラテン系の悪魔化は不道徳かつ非米国的だ」と述べた。
その後、X(旧ツイッター)でバイデン氏は、「トランプ氏支持者が吐き出したプエルトリコに対する憎悪に満ちた発言に言及した」「言いたかったのはそれだけだ」と釈明した。
ホワイトハウスは後にアポストロフィーを加えた発言要旨を公開。バイデン氏は「私が目にする唯一の浮かんでいるごみは、彼の支持者の(supporter's)発言だ」という意味だったと釈明。トランプ氏がマディソン・スクエア・ガーデンで行った集会に登壇したコメディアンのトニー・ヒンチクリフ氏による発言に言及したものだというバイデン氏の主張を裏付けようとした。【翻訳編集AFPBBNews】
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