ベネズエラ、大使召還=ブラジルと関係悪化
【サンパウロ時事】南米ベネズエラ外務省は30日、新興国グループ「BRICS」に加盟を希望する「パートナー国」のリストからベネズエラが除外されたのはブラジルの「拒否権」行使によるものだと批判し、駐ブラジル大使を召還すると発表した。
両国はマドゥロ大統領が3選を宣言した7月のベネズエラ大統領選を巡っても意見が対立。ブラジルは昨年1月に左派ルラ政権が発足後、反米左派で強権のマドゥロ政権の後ろ盾となったが、関係は悪化しつつある。
ロシアで今月開かれたBRICS首脳会議でパートナー国が「内定」した。しかし、ベネズエラは選に漏れた。同国は30日の声明で、他のBRICS諸国が承認したのにブラジルが拒否権を行使したためで、「理不尽な行為」と批判した。
ブラジルでルラ政権の外交顧問を務めるアモリン元外相は29日の下院委員会で、マドゥロ氏の勝利を「透明性の原則が尊重されていない」として認められないとの認識を示した。声明はこうした発言を「介入主義的で無礼だ」とし、「北米帝国主義の使者のような振る舞いだ」と一蹴した。
ベネズエラ大統領選では野党候補のゴンサレス氏も独自の集計結果を根拠に勝利を主張したが、マドゥロ政権の弾圧にさらされ、スペインに亡命した。仲介役を買って出たブラジルはベネズエラ側に詳細な開票結果の公表を求めたが、拒否された。2国間に険悪なムードが広がり、ベネズエラのパートナー国入りに関するブラジルの反対につながったとみられる。
[時事通信社]
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