大けが乗り越えた新濱=手応えの初戦圧勝―全日本距離別スケート
男子500メートルの日本記録を持つ新濱は、万全の状態で今季の初戦を迎えられたわけではない。夏場のトレーニングでは思い描いたメニューを消化できず、この日のレース前には両脚の内転筋に違和感も覚えた。だが、かえって気負いもすっと抜けたようだ。
スタート直後に少しバランスを崩しながらも、「気持ちに余裕があった。平常心で滑れた」。大きなストライドを生かして終盤もペースを落とさず、34秒55の好タイムをマーク。実力者の森重らを圧倒した。
今年3月、練習中に腰椎を骨折する大けがをし、約1カ月はほとんど寝たきりの生活を送った。すっかり落ちた体力を取り戻そうと励んだ基礎トレーニングが実を結び、「腰の状態が問題ない、と安心できた」と笑った。
国内最高記録を樹立した前回大会に続く連覇に、「いいスタートダッシュが切れた」と誇らしそうに振り返った。「まだまだタイムを伸ばせる」との実感を得たレース。不安げだった前日とは打って変わって、表情は晴れやかだった。
[時事通信社]
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