「マニア」生んだ個性派投手=記憶に刻まれるバレンズエラさん
ずんぐりした愛嬌(あいきょう)のある体形で、振りかぶった際に視線を上に向け脚を大きく上げる個性的な投球動作。右打者の外角に沈むスクリューボールを武器に快投を重ねたバレンズエラさんは、多くのファンの記憶に残る投手だった。
20歳で開幕投手を務めた1981年はいきなり8試合連続で白星を挙げ、うち5完封と圧巻の内容で一気にスターとなった。登板見たさに観客が集まり、「フェルナンド・マニア」と呼ばれる熱狂的なファンを生んだ。
ドジャースタジアムでバレンズエラさんのノーヒットノーランを目撃したことがある大リーグ評論家の福島良一さんは「メキシコ系住民が多いロサンゼルスでアイドルのような存在だった」と振り返る。
メキシコの片田舎から飛び出して成功を収め、アメリカンドリームの象徴的存在に。95年にドジャースでデビューして大活躍した野茂英雄投手が「ノモ・マニア」を生むと、バレンズエラさんの新人時代が引き合いに出されることもあった。
81年は新人王とサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)に輝き、ヤンキースを倒してワールドシリーズ(WS)を制覇。25日(日本時間26日)に開幕する今年のWSは、くしくもそのシーズン以来43年ぶりのドジャースとヤンキースの対戦となった。福島さんは「特別なシリーズになるだろう」と語った。(時事)
[時事通信社]
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