アポ電強盗致死で無期懲役=差し戻し審、男3人に判決―東京地裁
電話で資産状況を聞き出す「アポ電」をかけて住宅に押し入り、高齢女性を死亡させたとして強盗致死罪などに問われた男3人の差し戻し裁判員裁判の判決が22日、東京地裁であった。香川徹也裁判長は須江拓貴(27)、小松園竜飛(33)、酒井佑太(28)各被告に求刑通り無期懲役を言い渡した。
差し戻し前の一審は「慢性心不全の悪化で死亡した可能性を否定できない」と述べ、須江被告を懲役28年、他の2人を懲役27年とした。二審東京高裁は、首を圧迫する暴行は認定できないとした一審判決に事実誤認があるとして審理を差し戻した。
香川裁判長は、今回のような暴行を受ければ健康な高齢女性でも死亡する可能性があったとする医師の証言などから、「心機能の低下で死亡したとは評価できない」と指摘。その上で、解剖医の所見などから「首を圧迫する暴行は間違いなく認められる」と断定した。
弁護側は「首への圧迫は意図的ではない」と主張したが、「意図的ではなくとも出血を伴うほどの暴行で、悪質性が低いことにはならない」と判断。4カ月間で窃盗や強盗事件などを繰り返しており、「刑事責任は相当に重い」として無期懲役を言い渡した。
[時事通信社]
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