「米農家は板挟み」=関税懸念も中国不信―作家ライシンガー氏・米大統領選
米国の作家で、小規模農家の苦境に関する著作があるブライアン・ライシンガー氏は、11月の米大統領選を巡り、関税引き上げを主張するトランプ前大統領が農村部で優勢とされるが「複雑な事情が絡まり、農家は板挟みになっている」との見方を示した。農産物の輸出先確保は不可欠だが、中国への不信感も根強いという。19日までに時事通信のインタビューに応じた。
ライシンガー氏は中西部ウィスコンシン州の酪農家出身。「米農家は一般的に、海外へ農産品を売るため、もっと多くの市場を望む」と説明。高関税をかけ合う「貿易戦争」のような事態は嫌がるものの「中国が米国を不公正に扱っていると感じている」とし、断固とした措置への「強い要望」もあると語った。
シンボルカラーが青の民主党の伝統的な地盤「青い壁」だったウィスコンシン州は、今回の選挙でも激戦州となっている。ライシンガー氏は「経済的に取り残されているのではないかとの有権者の不安が一因」と分析した。
米経済指標はおおむね良好で、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は連日最高値を更新する。ライシンガー氏は「米国には、都市部と農村部の二つの経済がある」と指摘。「農村部経済は成長が鈍く、良い時期でも米経済の強さを実感せずにいる」と話した。
[時事通信社]
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