「ゼレンスキー氏は戦争を始めさせてはならなかった」トランプ氏
【ワシントンAFP=時事】米大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ前大統領(78)は17日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は戦争を未然に防げなかったと主張し、ロシアのウクライナ侵攻についてウクライナ側にも責任があるとの認識を示した。≪写真は、米ニューヨークでドナルド・トランプ前大統領と会談するウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領≫
トランプ氏は、200万人以上の登録者がいる「PBD Podcast」で、「ゼレンスキー氏は私がこれまで見た中で最も優秀なセールスマンの一人だ。米国は、彼が来るたびに1000億ドル(約14兆9000億円)を与えている。歴史上、これほどの大金を手にした人物が他にいるだろうか? いや、いない」と主張。
「だからといって、彼を助けたくないわけではない。私はあの人たち(ウクライナ国民)を大変気の毒に思っているからだ。彼はあの戦争を決して始めさせてはならなかった」と続けると、直ちに批判の矛先を民主党のジョー・バイデン大統領に転じ、ウクライナ紛争を「扇動(せんどう)した」のは同氏だと非難した。
トランプ陣営はAFPの取材に対し、トランプ氏がウクライナ紛争の責任について非難したのはゼレンスキー氏ではなく、「明らかにバイデン氏だ」と釈明した。
ロシアによる侵攻開始から2年以上が経過する中、ウクライナ側は、国民の士気低下を懸念して戦死者数をほとんど公表していない。だが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が先月報じたところによれば、ウクライナ紛争の死傷者数は両国合わせて100万人を超える。
米国はウクライナの主要支援国の一つで、侵攻開始以来、641億ドル(9兆6000億円)以上の軍事支援を行っている。
一方、米シンクタンク「大西洋評議会」ユーラシアセンターのシニアフェローで国家安全保障の専門家、ジョン・サイファー氏はX(旧ツイッター)への投稿にトランプ氏のポッドキャスト発言の動画を添え、「なんて卑劣な裏切り者だ」「彼はばかだ。なぜこれほど多くの米国人がそれに気づかないのか、世界中が不思議に思っている」と述べた。【翻訳編集AFPBBNews】
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