トランプ氏、黒人男性取り込み=ハリス氏は穏健共和に秋波―互いの支持層争奪・米大統領選
【ワシントン時事】米大統領選共和党候補のトランプ前大統領(78)が黒人男性への働き掛けを強めている。黒人の多くは伝統的に民主党候補を支持してきたが、男性はハリス副大統領(59)への投票をためらう傾向があるとされるためだ。対するハリス氏は共和党穏健派の切り崩しを画策。大統領選まで1カ月を切り接戦が続く中、双方が相手の支持層を奪おうとする構図となっている。
トランプ氏陣営は12日、同氏を支持する「黒人男性諮問委員会」と連名の声明を発表。オバマ元大統領が黒人男性にハリス氏への投票を促したことを取り上げ、「政策でなく肌の色に基づいて支持を呼び掛けたことは非常に侮辱的だ」と非難。「黒人家庭のために米国を再び偉大にできるのはトランプだけだ」と主張した。
オバマ氏は10日、東部ペンシルベニア州で民主党の選対事務所を訪れた際、黒人男性がハリス氏を熱心に支持していないと言及。「女性大統領に違和感があるのか。それは受け入れられない」と運動員を叱咤(しった)していた。
ニューヨーク・タイムズ紙が12日に公表した調査によれば、黒人の民主党支持率は2016年の92%から78%に減少したと推定されている。若年層や男性で「民主離れ」が進んでいるもようだ。
一方、ハリス氏は11日の演説で、大統領に就任すれば超党派の政策助言機関を設置し、共和党の意見を政権運営に反映すると約束。同党の「反トランプ派」に秋波を送った。
[時事通信社]
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