「被ばくの事実、伝える場に」=担当者、決意新た―第五福竜丸展示館
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞発表から一夜明けた12日、被団協設立の契機となった漁船が保存される第五福竜丸展示館(東京都江東区)には多くの人が訪れた。第五福竜丸平和協会の市田真理さん(57)は「被ばくの事実を伝える場であり続けたい」と決意を新たにした。
第五福竜丸は1954年3月、マーシャル諸島ビキニ環礁で米国の水爆実験により被ばく。日本被団協はこれを機に56年に結成された。
市田さんは「とうとう受賞が決まった」と喜んだ上で「被ばくについて語り継ぐ責任を果たすためにも、展示館は事実を伝え、考えるきっかけを提供する場でありたい」と意気込んだ。
館内で広島・長崎への原爆投下などの絵を展示する画家山内若菜さん(47)=神奈川県藤沢市=は「世界は被爆者の長年の尽力を見ていたと感じた。私も絵を通じ、被爆者の体験を伝えていきたい」と話した。
小学4年の息子と訪れた弁護士千葉博さん(59)=世田谷区=は「核兵器のない世界の実現に向け私も声を上げたい。今回の受賞決定が、息子が核について考えるきっかけになれば」と願った。
[時事通信社]
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