「社長にしっかり罰を」=不明者遺族、責任追及訴え―知床観光船事故
「罰をしっかり与えてほしい」。北海道・知床半島沖の観光船沈没事故で、行方不明となっている小柳宝大さん=当時(34)=の父親(65)は、運航会社社長桂田精一容疑者(61)への責任追及を強く訴える。同容疑者の逮捕後、検事に対しても、厳しい処罰を強く求めたという。
宝大さんは、外食大手チェーン「リンガーハット」の社員としてカンボジアに赴任していたが、一時帰国し、福岡県にある実家への帰省前に北海道旅行に行き事故に遭った。
父親によると、9月の同容疑者逮捕の数日後、検察側からの要請で、福岡県内の検察庁舎で2回に分けて検事と計3時間半ほど面談した。処罰感情などを聞かれ、「宝大も起訴を求めていると思う。罰をしっかり与えてほしい」と求めたという。
桂田容疑者が遺族の起こした民事訴訟で「出航を判断したのは船長であり、運航中に引き返していれば事故は回避できた」などと責任転嫁ともとれる主張をしたと知り、強い憤りをあらわに。「反省が感じられない。心が痛む。調べ尽くしてから、厳罰に処してほしい」と訴えた。
8月には地元の博多港(福岡市)と韓国・釜山を結ぶJR九州子会社が運航する高速船で、浸水を隠して3カ月以上運航していたことが発覚した。「安全管理を厳格にしないといけない。あいまいにしていたら人の命は危ない」。父親は桂田容疑者への責任追及を求めるとともに、船の安全運航への思いを強くしている。
[時事通信社]
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