日本の酒、高まる関心=和食ブーム追い風、PR活動も盛ん―英
【ロンドン時事】世界的な和食ブームを追い風に、英国でも「SAKE(日本酒)」や日本産ウイスキーなど、日本の酒類に関心が高まっている。日本のアルコール市場が飽和する中、ワインビジネスの一大拠点でトレンド発信地のロンドンでは、世界展開を見据えたPR活動も盛んだ。まずは英国人が日常的に飲むお酒の選択肢に加えてもらえないか―。現地の日本人や企業の試行錯誤が続いている。
「現地化しないといけない」。英国で長年、日本酒などの認知度向上に取り組んできた吉武理恵さんは、海外で普段飲みの選択肢に入るポイントをこう強調する。「日本は日本式にこだわる。こう飲むべきという思いがあり、それがハードルを上げている」と言い、飲み方にこだわらず、普段飲むビールやワインと同様に楽しめると思ってもらうことが重要だと話す。
こうした思いから、吉武さんは今月4日から2日間、和太鼓やダンスなどと合わせて日本の酒類を楽しむイベント「ドリンク・ジャパン」を初開催した。日本酒やビール、焼酎など、日本で造られた多彩なお酒を集め、「こだわりなく飲む」体験をしてもらうのが狙い。バイヤーら業界関係者や、日本の酒類に興味を持つさまざまな国籍の一般客が来場。吉武さんは「英国の市場規模は大きくないが、発信力は大きい」と、海外への広がりに期待する。
イベントには著名なシャンパン醸造家レジス・カミュ氏らによる日本酒ブランド「ヘブンサケ」も出展。日本の蔵元と提携し、伝統的なシャンパンの技法を用いて造った新感覚のお酒を提供した。関係者は「今まで日本酒を飲んだことのない人にも飲んでもらいたい」と意気込む。
イベントを訪れたロンドン在住の会社員、アンドレア・ゴーディローさんは「スパークリング日本酒など、こんなに種類があるとは知らなかった」と驚いた様子だった。
[時事通信社]
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