イルカにかまれけが、急増=今夏15件、「遊びたい」アピールか―県外遊泳客への周知課題・福井
日本海を臨み、夏には観光客が集まる福井県の海岸で、遊泳客がイルカにかまれる被害が相次いでいる。敦賀海上保安部によると、2022年ごろから確認され、今夏の被害は15件と昨年の5件を大幅に上回った。今年被害に遭った人は全て県外からの観光客で、来訪者への周知が課題となっている。
8月3日、手の浦海水浴場(敦賀市)で泳いでいた三重県在住の10歳男児は、接近してきたイルカに右手をかまれ、約30針縫う重傷を負った。水晶浜海水浴場(美浜町)では同12日、愛知県から来た24歳男性が遊泳中にかまれ、人さし指などを7針縫うけがをした。
「イルカに追われた男性は完全にパニックになっていた」。福井市内の海水浴場でマリンスポーツを教える島田尚久さん(64)は22年、被害を目撃した。「(男性を)ボードで浅瀬まで引っ張っても、気が動転して泳ぎ出せないようだった」と振り返る。自身の教室でも、イルカを見掛けたら頭付近には手を出さないよう教えているという。
現地で調査に当たった三重大大学院の森阪匡通教授(生物資源学)は「背びれの特徴が似ており、イルカは同一個体の可能性が高い」と指摘。通常は群れで生活するミナミハンドウイルカの雄とみられ、「石川県の七尾湾に生息する群れになじめず、1頭で南下したのでは」と推測する。かみつく理由については「『遊びたい』とアピールしている可能性が高い」とした上で、「かみ癖を直すのは難しい」と話す。
周辺自治体は対策に追われる。敦賀市はイルカを見ても近づかないよう注意喚起するチラシを遊泳客に配布。美浜町は注意を呼び掛けるポスターを各海水浴場に掲示した。福井市などはイルカの苦手な音を出す発信器を海水浴場に設置したが、森阪教授は「しばらくすると慣れてしまうので長期的な効果は期待できない」と指摘する。
敦賀海保の竹内正一交通課長は「季節を問わず、イルカを見掛けたらすぐに浜に上がるよう、引き続き注意を呼び掛けていくしかない」と語った。
[時事通信社]
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