石破首相「政治の信頼回復」=経済成長へ賃上げ・投資促進―所信表明
石破茂首相は4日、衆参両院本会議で就任後初の所信表明演説に臨んだ。自民党派閥の裏金事件が政治不信を招いたとして「深い反省」を表明し、「国民からの信頼を取り戻す」と訴えた。賃上げや地方創生に力点を置く姿勢も示した。
首相は裏金事件に関し、自身も説明責任を果たす意向を強調。政治資金規正法の順守や、政治資金の透明性を確保する必要性を指摘した。政治資金収支報告書への不記載があった議員と「改めて向き合い、反省を求める」とも語った。
経済面では「デフレ脱却を最優先に実現する」と述べ、経済対策を早急に策定すると説明。「経済あっての財政との考え方に立つ」と語り、「賃上げと投資がけん引する成長型経済」「コストカット型経済から高付加価値創出型経済への移行」を掲げた。
首相は、物価上昇を上回る賃金上昇の定着に意欲を示した。最低賃金の全国平均を2020年代に1500円に引き上げる目標にも言及した。
防災庁の設置準備を急ぐ考えを示し、「防災立国」を構築すると主張。地方創生を支援するため、交付金を当初予算ベースで倍増させる方針を掲げ、新設する政府本部で今後10年間の基本構想を取りまとめると明らかにした。
首相は「現実的な国益を踏まえた外交」を進めると強調。「日米同盟を基軸に友好国・同志国を増やす」と語った。日韓関係については「緊密な連携が双方の利益にとって極めて重要だ」と指摘。中国との「戦略的互恵関係」を推進し、「建設的かつ安定的な関係」を築くと説明した。
日本を取り巻く安全保障環境は戦後最も厳しいとの認識を示し、防衛力の抜本強化に取り組む決意を示した。一方、自民党総裁選で掲げた日米地位協定改定やアジア版北大西洋条約機構(NATO)創設には触れなかった。
憲法改正については、在任中の国会発議を実現したいと言明。衆参憲法審査会での積極的な議論を呼び掛けた。拉致問題を「政権の最重要課題」と位置付け、全ての被害者の帰国を目指し「総力を挙げて取り組む」と語った。
[時事通信社]
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