メキシコ初の女性大統領就任=シェインバウム氏、男性優位の価値観非難
【サンパウロ時事】メキシコで1日、左派のクラウディア・シェインバウム大統領(62)が就任した。スペインから独立して約200年のメキシコで、女性の元首は初めて。中南米で根強い男性優位の価値観「マチスモ」などの差別を非難し、「われわれが力を合わせ、メキシコがさらに繁栄し、自由かつ民主的で公正な国になると確信している」と強調した。
任期は2030年までの6年間。首都メキシコ市の市長だったシェインバウム氏は6月の大統領選で約6割を得票して大勝し、上下両院も与党「国家再生運動(MORENA)」が制した。安定した権力基盤を背景に、格差是正など、前任のロペスオブラドール氏が取り組んだ「変革」を一段と進める。
メキシコでは先月、最高裁判事の公選制導入を柱とする司法制度改革法が施行された。行政府や立法府も候補者を送り込めるため、三権分立を危惧する声が広がり、金融市場は動揺した。世界的なサプライチェーン(供給網)再編で米企業の工場が集まる中、新政権は説明責任が求められる。
メキシコ経由で流入する不法移民が社会問題となっている米国と、良好な関係を構築できるかどうかも重要な課題となる。特に米大統領選で共和党候補のトランプ氏は、前回の大統領時代に移民問題でメキシコを責め、「国境の壁」を建設するなど厳しい姿勢を示す。返り咲けば大きな摩擦が生じる可能性もある。
就任式典にはブラジルのルラ大統領や、ジル・バイデン米大統領夫人らが参加。日本は中曽根弘文元外相を特使として派遣した。
[時事通信社]
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