捏造認定に疑問の声=検察幹部「明確な根拠を」―袴田さん無罪
袴田巌さんの再審で、捜査機関による証拠の捏造(ねつぞう)を認めて無罪を言い渡した静岡地裁判決について、検察幹部からは疑問の声が上がった。
ある幹部は「証拠を捏造と断定するなら、はっきりと根拠を示すべきだ」と納得がいかない様子。「捏造した人が起訴され、有罪となるような証拠がそろわないと判断できないのでは」と指摘した。
別の幹部は「判決の中身を見ていないので何とも言えない」とした上で、証拠捏造について「証拠から排除するなら、それなりの理由と説得力がなければいけない。そこも含めて判決内容を精査する」と話した。
死刑確定後に再審無罪となった過去の4例で控訴したケースがないことに関しては「過去どうだったかは関係ない。中身をよく見ることが大前提だ」と話したものの、終始伏し目がちで、歯切れが悪かった。
再審開始を認めた東京高裁決定に対し、最高裁に特別抗告しなかったことを悔やむ声も。別の幹部は「再審公判で争うのであれば、特別抗告しておくべきだった」と惜しんだ。「当時の判断は致し方なかった」と話す幹部もいた。
[時事通信社]
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