2024-09-26 09:28社会

被災者の心の支えに=ボランティア活動が本格化―能登大雨、死者11人・石川

床上浸水した仮設住宅を掃除するボランティアの山田和輝さん(右)=25日午後、石川県輪島市

 記録的な大雨に見舞われた石川県・能登半島北部の被災地で、ボランティアの活動が本格化している。土砂や流木が広範囲に散乱して生活再建が遠のく中、住民の心の支えになろうと汗を流す。大雨の死者は11人となり、警察や消防などは26日も被害の大きかった輪島市などで不明者の捜索を続けた。
 河川の氾濫で仮設住宅が浸水被害を受けた同市宅田町では25日、ボランティアが部屋の泥かき作業などを行った。県の募集に応じて参加した魚谷雅喜さん(55)=富山県高岡市=は「ここに住まざるを得ない人を何とか支えたい」と話す。
 元日の能登半島地震でもボランティアに参加し、被災者との交流を深めた魚谷さん。「一度関わった地域がまた被災し、心配になった」と、家具の運び出しや廃棄物の分別に精を出した。
 同じくボランティアに加わった金沢大2年の山田和輝さん(20)は大阪出身。発生が懸念される南海トラフ地震を考えると、能登の現状が人ごとに思えなかったという。「故郷での災害に備え、経験や知識も付けたい」と話した。
 山田さんらと一緒に作業をした同大大学院修士1年の浜野祐丞さん(22)は、石川県珠洲市の実家が今回の大雨で断水した。部屋の清掃作業を手伝い、「自分が育った場所に恩返しがしたい」と力を込めた。
 山田さんらに部屋を掃除してもらった田浦靖広さん(67)は地震で自宅が全壊し、6月に入居したばかりという。「片付けは一人じゃ無理。ボランティアのおかげで助かった」と笑顔を見せた。 
[時事通信社]

床上浸水した仮設住宅の廃棄物を分別するボランティアの魚谷雅喜さん=25日午後、石川県輪島市
仮設住宅で家電の汚れを落とすボランティアの山田和輝さん=25日午後、石川県輪島市

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