船頭落水後、かじ戻せず転覆=保津川下り事故―運輸安全委
京都府亀岡市で昨年3月、「保津川下り」の船が転覆し、乗っていた船頭4人のうち2人が死亡した事故で、運輸安全委員会は26日、かじの操作をしていた船頭(38)が空振りして川に落ちた後、かじを元の状態に戻すことができなかったため転覆したとする調査報告書を公表した。
報告書によると、船尾左舷側にいた船頭は、かじの先で流れをつかむことができずに、空振りした勢いで頭から落水。かじは支点が船体に固定されたまま、持ち手部分が水中に入った状態となり、水の勢いもあって別の船頭がつかむことはできなかった。
船はその後、岩場に乗り上げて転覆。報告書は「持ち手部分が水に入らなければ、事故は回避できた」と指摘。運輸安全委は、船頭がかじを離しても操舵(そうだ)可能な状態を保てる措置を講じるよう、全国の川下り事業者に要請する方針。
事故は昨年3月28日午前11時ごろ発生。船頭4人と乗客25人が乗った1隻が転覆し、船頭2人が死亡した。京都府警は今年3月、かじを空振りし落水した船頭を業務上過失致死傷の疑いで書類送検している。
[時事通信社]
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