イスラエル中部へ弾道ミサイル=軍トップ「地上侵攻も」―3日連続空爆、ヒズボラ反発・レバノン
【エルサレム時事】イスラエル軍は25日、商都テルアビブがある同国中部に向けてレバノンから地対地ミサイルが飛来し、迎撃したと明らかにした。レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは、テルアビブ近郊にあるイスラエル対外情報機関モサドの本部を狙って弾道ミサイル1発を発射したと主張。イスラエル軍はレバノン各地で空爆を続け、ハレビ軍参謀総長は25日、「地上侵攻の可能性に備えたものだ」としてヒズボラを強くけん制した。
地元メディアによると、イスラエル中部へヒズボラがミサイルを発射するのは初めて。テルアビブやその周辺では、空襲警報が発令された。軍はその後、ミサイルが発射されたレバノン南部の拠点を空爆したと発表。ヒズボラは「モサドは幹部殺害と通信機器の一斉爆発の責任を負う」とする声明を出した。
イスラエル軍は24日にレバノンの首都ベイルートを空爆し、ヒズボラのミサイル・ロケット弾部門トップを殺害した。25日にはヒズボラが「イスラエルの民間地域・施設へ攻撃を続けている」として、レバノンの南部や東部などの280カ所以上を空爆。レバノンのアビアド保健相によれば51人が死亡し、23日以降の死者は600人を超えている。
イスラエル軍報道官は「期間をできるだけ短くするため大規模に攻撃しているが、長期化にも備えなければならない」と説明。同軍は25日、予備役2旅団を招集すると明らかにした。
イスラエル首相府は25日、ネタニヤフ首相が国連総会の一般討論演説のため26日に米国へ向かい、28日に帰国すると発表した。レバノン情勢緊迫を受けて出発を予定より遅らせ、「25日は治安当局者と攻撃継続を協議する」という。
国連安保理は25日夕(日本時間26日朝)、緊急会合を開いてレバノン情勢を討議する。グテレス国連事務総長は「世界の人々は、レバノンを第2の(パレスチナ自治区)ガザにすることを許容しない」と述べ、情勢悪化の回避を訴えた。
[時事通信社]
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