野田人事にくすぶる不満=他陣営「露骨な論功行賞」―立民
立憲民主党の野田佳彦代表は24日、新執行部を発足させた。小川淳也幹事長、重徳和彦政調会長ら中堅の積極登用で世代交代をアピール。ただ、野田氏に近い議員が目立つ布陣に、23日の党代表選で他の3候補を支持した議員の間では、早くも「露骨な論功行賞だ」などと不満がくすぶっている。
「野田氏の実績と安定感に、小川、重徳両氏の刷新感を組み合わせた」。野田氏周辺は24日、人事の狙いをこう説明。党内に理解を求めた。
代表選の決選投票で、野田氏と枝野幸男元代表の国会議員票の差はわずか9票だった。これを受け、枝野氏支持の若手は「緊張感ある結果だ」と指摘。陣営からは、枝野氏の要職起用など党内バランスへの配慮を求める意見が出ていた。
そのため、24日午前に小川氏の幹事長起用が伝わると、大半が枝野氏支持に回ったリベラル系の党内最大グループ「サンクチュアリ」は急きょ、国会内で会合を開催。小川氏が告示直前に同グループを離脱して野田氏支持に回った経緯もあり、「けんかを売っているのか」と怒りの声が上がったという。
実際、人事が承認された同日午後の両院議員総会に同グループ所属議員の姿は少なく、拍手もまばらだった。泉健太前代表の陣営幹部も、野田氏が代表就任後のあいさつで「ノーサイド」と呼び掛けたことを引き合いに、「ワンサイド人事だ」と皮肉った。
小川氏の政治手腕が未知数なことも懸念材料だ。早期の衆院解散・総選挙の可能性が取り沙汰される中、小川氏は今後、日本維新の会や共産党などとの候補者調整に臨むことになる。ただ、それぞれ100前後の小選挙区で競合しており、一本化に向けた交渉は難航必至だ。
連合関係者は「小川氏では党内を掌握するのは厳しい」と指摘。党幹部の一人は、大串博志選対委員長が党務総括担当の代表代行を兼務することに触れ、「大串氏が幹事長に代わり、党務全般の責任を持つことになる」との見方を示した。
[時事通信社]
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