日韓協力「象徴」に節目=ポスコと資本関係解消へ―日本製鉄
日本製鉄は、四半世紀にわたる韓国ポスコホールディングスとの資本関係を解消する。ポスコは1973年6月に韓国南東部で浦項製鉄所を稼働。「漢江の奇跡」と呼ばれる高度経済成長を鋼材の供給で支えた。日本製鉄は前身企業が同製鉄所の立ち上げを支援、その後は株式の相互保有にも発展させ、日韓経済協力の象徴とされてきた。脱炭素などで協力は続けるが、大きな節目となる。
日韓が65年に国交を正常化した際、日本は植民地支配に関する請求権の問題を解決するため、韓国に多額の経済協力資金を支払った。この資金は浦項製鉄所の建設などに使われ、日本側が技術供与を行った。
日本製鉄は新日本製鉄時代の98年にポスコが民営化されると、同社と株式を相互に取得。2000年の戦略的提携開始や、06年の追加出資を経て一時はポスコ株式の約5%を保有していた。
00年代には欧州で、当時世界最大のアルセロール・ミッタルが発足するなど鉄鋼業界で合従連衡による規模拡大が進んだ。新日鉄とポスコは、鉄鋼業界が激動の時代を迎える中、半製品の相互供給や技術交流、原料購買などで協力を拡大した。
しかし、12年には「方向性電磁鋼板」の製造技術を不正に取得したとして、新日鉄がポスコを提訴。15年に和解するまでぎくしゃくした関係が続いた。その後、16年には資本効率向上を理由にポスコ株の一部を売却したが、全株式を手放すことになった。
[時事通信社]
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