パラの根幹担う「クラス分け」=高度な専門性、公平性保つ―研究拠点を開設・JPC
パリ・パラリンピックが9日(日本時間)、熱戦のうちに幕を閉じた。競技の根幹を担うのが、障害の程度に応じた「クラス分け」だ。人によって異なる障害の種類と程度を、公平性を保つように分類するには専門的な知識が必要になる。日本パラリンピック委員会(JPC)は今年から東京都内に研究拠点を開設し、支援を強化している。
パラスポーツは障害の種類や重さによって、クラスが細かく分かれている。競技によって分け方が異なり、例えばパリ・パラリンピックの柔道は視覚障害の程度で2クラスに分かれるだけだが、陸上の男子100メートルは機能、視覚、知的障害の程度に応じて16のクラスに分類された。
判定は専門的な知識を持った「クラシファイヤー」が行う。医学的知識を持つ「メディカルクラシファイヤー」と競技の専門的な知識を持つ「テクニカルクラシファイヤー」がおり、2人1組で聞き取りや実際の試合を見て判定する。
パラリンピックは当初、医学的な診断のみでクラス分けされていたが、1992年から身体機能も基準に判定されるようになった。2007年からは各競技に特有の身体運動能力も評価するようになっている。
陸上競技の機能障害の判定をしている指宿立さん(59)は「障害の程度や部位は人それぞれで、トレーニングで改善することもある。何ができないかではなく、プラスの側面をいかに客観的に評価するかが重要」と話す。
JPCは今年4月、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)にクラス分けの研究拠点を開設した。3人体制で情報収集や、各競技団体への助言などを行う。スタッフが少なく、ボランティアに支えられている競技団体も多く、そうした団体を支援する狙いがある。
クラス分けマネジャーの井土祐樹さん(36)は「障害がある人たちが輝く場を担保するために、クラス分けは重要な制度。理解度を高めることで、選手たちにも納得して競技に取り組んでほしい」と話した。
[時事通信社]
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