能登大雨、6人死亡=不明者の捜索続く―大雨特別警報は切り替え
記録的な大雨となった石川県・能登半島北部では22日、土砂崩れや河川の氾濫による行方不明者の捜索が続いた。輪島市では新たに5人の死亡が確認され、大雨による県内の死者は6人となった。
県によると、21日に珠洲市で1人が死亡。警察や消防によると、22日には輪島市を流れる塚田川の捜索で高齢の男性が遺体で発見されたほか、同市町野町では高齢の女性2人の遺体が見つかった。安否不明者が複数いた同市の国道249号の「中屋トンネル」付近では同日午後、復旧工事の作業員1人を含む2人が心肺停止状態で見つかり、その後死亡が確認された。県警などは遺体の身元確認を進めている。
県によると、珠洲市と能登町で計2人が行方不明になっているほか、塚田川で起こった氾濫で女子中学生(14)を含む住民4人と連絡が取れなくなり、捜索が続いている。消防によると、「中屋トンネル」付近では他に作業員ら8人が発見され、いずれも命に別条はないという。
22日朝からの雨で新たに七尾市などの7河川が氾濫。21日以降、能登半島で氾濫した河川は23に上り、仮設住宅計9団地が床上浸水の被害を受けた。輪島、珠洲両市の広範囲で断水が起き、道路寸断による集落孤立も相次いだ。県によると、22日午後4時時点の避難者は、輪島市など5市町で計1088人に上る。
気象庁は22日午前10時10分、同県輪島市と珠洲市、能登町に21日午前から出していた大雨特別警報を、警報に切り替えた。ただ、引き続き土砂災害や低地の浸水、河川の増水に厳重に警戒するよう呼び掛けた。
東北地方から九州にかけては22日、前線などの影響で断続的に雨が降った。輪島市では同日午後4時までの48時間雨量が498.5ミリ、珠洲市では394.0ミリに上った。22日未明は九州北部で大雨となり、大分県玖珠町では午前7時20分までの6時間雨量が153.5ミリとなった。いずれも観測史上最多記録を更新した。金沢市では午前8時ごろに最大瞬間風速29.8メートルを観測した。
[時事通信社]
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