観測史上最長の「ジェット」=75億光年先のブラックホール付近―欧州の電波望遠鏡群で発見
観測史上最も長いブラックホールに伴う「ジェット」を発見したと、米カリフォルニア工科大やオランダ・ライデン大などの国際研究チームが19日、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。ブラックホールの周囲には、周辺のガスが強い重力に引かれ、回転しながら円盤状に密集するが、その一部が磁場の働きで上下方向にジェットとして噴出することが知られる。
研究チームが欧州の電波望遠鏡ネットワーク「LOFAR」を使って発見したジェットは、上下を合わせた全長が2300万光年もあり、銀河系(天の川銀河)を140個並べた長さに相当する。地球から75億光年離れた大きな銀河の中心に位置し、この銀河の質量が銀河系の約10倍もあるため、周辺から大量のガスが供給され続けてジェットも長くなったと考えられるが、同じ方向に長年安定して噴出し続けたメカニズムが謎だという。
宇宙では、銀河が多く集まっている部分と、まばらな部分が無数の泡のような構造になっている。研究チームは、これまで全天の15%しか調べていないため、こうした長大なジェットがほかにも多数存在し、銀河団の泡のような構造に影響を与えている可能性が高いとみている。
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