セブン買収案巡り応酬=カナダ社「協議拒否に遺憾」
セブン&アイ・ホールディングスが、同社の買収を狙うカナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシォン・クシュタールと激しい応酬を繰り広げている。「当社の価値を著しく過小評価している」と拒むセブン&アイに対し、アリマンタシォンは「友好的な協議すら拒否したことを遺憾に感じる」と批判。引き続き買収に意欲を示しており、次の動きに注目が集まっている。
アリマンタシォンは7月下旬ごろ、セブン&アイに全株式を現金で取得する6兆円規模の提案を持ちかけた。セブン&アイは特別委員会で内容を精査。今月6日、買収額が企業価値に見合わない上、両社が店舗展開する米国で独占禁止法違反を避ける対策について説明が不十分だとして、賛同できないと回答した。
これに対し、アリマンタシォンは8日に声明を発表。米独禁法上の問題については「当局の承認を得るために必要となる場合には、事業の切り離しも検討」する考えを示した。買収資金に関しては「現金で実施するだけの十分な余力がある」と自信をみせたが、「提示額の低さ」への言及はなかった。
セブン&アイは9日、この声明にすぐさま反論。適切な案が示されれば協議に応じる用意はあるとしつつも、現状では「実効性の伴う議論を行うだけの根拠・材料を提示していない」と切り捨てた。同社は「長期戦にもつれ込む可能性もある」(関係者)と想定しており、今後、攻防は激しさを増しそうだ。
[時事通信社]
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