団体球技躍進、史上初メダルも=東京大会レガシーも寄与〔パラリンピック〕
パリ・パラリンピックで日本選手団は、過去最多だった2004年アテネ大会のメダル52個を超えるとの目標には及ばなかったものの、東京大会を上回る金メダル14個を獲得した。田口亜希団長は「競技団体とともに行ってきた強化の取り組みが結果につながった」と評価した。
車いすラグビーが悲願の金。自国開催の前回大会以外で初めて出場権を得たゴールボール男子も優勝と、団体球技の躍進が光った。単複2冠を達成した車いすテニス女子の上地結衣(三井住友銀行)や柔道女子の広瀬順子(SMBC日興証券)ら、各競技の日本女子で史上初の金もあった。
強化拠点として19年に開所した東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)イーストで各競技団体は合宿を組み、集中的な強化に取り組めた。今大会で12個のメダルを獲得した競泳の上垣匠総監督は「NTCイーストは東京大会を機に整備された。今回の成功は東京大会のレガシーが生んだと感じる」と述べた。
一方で世界のレベル向上を痛感した競技もある。東京大会で活躍が目立ったボッチャは混合チームと女子個人の遠藤裕美(福島県協会)の銅2個。ルール変更や国際的な競技の広がりが影響して勢力図が変化した。バドミントンのメダルは車いすのみ。競技水準が高い海外での試合に選手を派遣できなかった背景もある。金に手が届かなかった陸上の強化責任者の平松竜司氏は「スポットでしか強化をしなかったというところの表れ」と反省した。
メダリストには前回大会までのメダル獲得者が多い印象。一方で日本パラリンピック委員会(JPC)などが運営に関わる若手発掘事業の出身者では、ゴールボールの鳥居陽生(国立障害者リハビリテーションセンター)と競泳の木下あいら(三菱商事)がメダルを獲得した。人材育成面では一定の収穫と課題が得られた。(時事)
[時事通信社]
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