一力三冠が応氏杯で初優勝=国際棋戦、日本勢19年ぶり―囲碁
囲碁の国際棋戦、第10回応氏杯世界選手権決勝5番勝負の第3局が8日、中国・上海で打たれ、一力遼三冠(27)=棋聖・天元・本因坊=が中国代表の謝科九段(24)に勝ち、3連勝で日本代表初の優勝を決めた。
一力三冠は優勝賞金40万ドル(約5700万円)を獲得。日本棋院によると、主要な国際棋戦で日本代表が優勝するのは、2005年LG杯の張栩九段(44)以来19年ぶり。
一力三冠は終局後、オンラインで記者団の取材に応じ、「苦しい時間帯が長かったが、勝ててうれしい。今までやってきたことが一つの形になった」と喜びを語った。
中国囲碁協会などが主催する応氏杯は1988年に創設。4年に1度開催されている。今年4月の予選には、井山裕太三冠(35)=王座・碁聖・十段=や芝野虎丸名人(24)らを含めた日本勢11人が出場したが、一力三冠だけがベスト16に勝ち上がった。
一力三冠は仙台市出身。10年にプロ入りし、20年に23歳で七大タイトル初となる碁聖を獲得した。現在は井山三冠、芝野名人らと激しいタイトル争いを行っている。棋士の傍ら早稲田大を卒業後、東北地方のブロック紙「河北新報」に記者として入社し、「二足のわらじ」で活動。今年3月、同社取締役に就任した。
[時事通信社]
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