岸田首相「外交遺産」アピール=日韓関係、退陣後に不透明感
【ソウル時事】岸田文雄首相は6日の尹錫悦韓国大統領との会談で、在任中の日韓関係の大幅改善をアピールした。両国関係の修復は首相が退陣表明の際に誇った「レガシー(政治的遺産)」の一つ。首相は定着させた流れを次期首相に引き継ぎたい考えだが、先行きには不透明感も漂う。
「尹大統領という信頼するパートナーを得て、日韓関係の新たな章を開くことができた」。首相は会談後、記者団にこう強調した。
「戦後最悪」と言われた日韓関係の好転は2022年の尹氏就任がきっかけだ。尹政権が昨年3月に元徴用工問題の解決策を発表すると、首相も関係立て直しに注力。両首脳は11年を最後に途絶えていた「シャトル外交」の再開で合意し、岸田氏の訪韓は3回、尹氏の来日は2回を数える。
退陣を控えた中での今回の訪韓について、首相周辺は「関係改善を後戻りさせないためだ」と指摘。首相官邸幹部は「今後もシャトル外交を続けてほしいというメッセージだ」と話す。政府関係者によると、日帰りとする案もあったが、首相が1泊2日にこだわった。両首脳は夕食も共にした。
来年は日韓国交正常化60周年の節目だ。韓国政府関係者からはこれに合わせ、1998年の日韓共同宣言に代わる新たな宣言を出そうと提起する声が出ており、日本政府関係者も「東アジアの安全保障環境は厳しい。誰が首相になっても流れは変わらない」と一段の関係改善に期待を示す。
ただ、首脳間の関係づくりはまた一からのスタート。自民党総裁選の候補者のうち、小泉進次郎元環境相らは靖国神社参拝を続ける。日韓関係は13年の安倍晋三首相(当時)の靖国参拝で悪化に拍車がかかった経緯があり、両国政府からは「次期首相の対応次第で関係が再び冷え込むかもしれない」(韓国側関係者)と不安も漏れる。
[時事通信社]
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