9条改憲案に修正余地=自民、条文化協議へ論点整理
自民党は2日、憲法改正実現本部の会合を党本部で開き、与野党各党と改憲案の条文化作業に入るための論点整理を了承した。戦力不保持を定めた憲法9条の改正については、現行条文を維持したまま「自衛隊保持」を追記する2018年の自民案を基本とすると明記。その上で、他党と幅広い合意を形成するため、自民案の一部修正もあり得るとの立場を示した。
自民は改憲を巡る党内の足並みの乱れが目立ち始めたことから、「緊急事態時の議員任期延長」について8月5日に統一見解をまとめ、「自衛隊明記」と「緊急政令」に関して議論を続けていた。ただ、自衛隊明記を巡っては党内になお異論がある上、緊急政令を含めて他党との隔たりは大きく、改憲論議の先行きは不透明だ。
岸田文雄首相(党総裁)は2日の会合で「複数のテーマを一括して国民投票にかけるべく議論を加速化させる準備が整ってきた。一気呵成(かせい)に議論を進めなければならない」と述べ、今月下旬の党総裁選を経て就任する新総裁に取り組みを引き継ぎたいと強調した。
論点整理は、「9条の2」を新設して「自衛隊を保持する」との文言を追加する自民案を「前提とすべきだ」と強調。一方、シビリアンコントロール(文民統制)に関する規定をどの章に位置付けるかなどに関しては「幅広い会派との合意可能性を視野に議論していく」と記し、今後の議論の余地を残した。
[時事通信社]
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