2024-08-31 09:33社会

「有言実行の人」=2種目でメダル目指す―陸上・佐藤選手〔パラリンピック〕

パラ陸上の佐藤友祈選手(手前左)と、レース用車いすの製造などを担当するオーエックスエンジニアリングの小沢徹さん(同右)=2022年11月(同社提供)

 陸上400メートルと1500メートル(車いすT52)でパラリンピック東京大会2冠に輝いた佐藤友祈選手(34)=モリサワ。パリ大会では1500メートルが公式種目から外れ、連覇を目指した400メートルでは惜しくも銀メダル。次の100メートルで、再び金を目指す。
 静岡県藤枝市出身。脊髄炎の影響で車いす生活となったが、2012年ロンドン大会の映像を見たのがきっかけで競技を始めた。パラ初出場となったリオデジャネイロ大会では、いきなり銀メダルを2個獲得。東京大会では金メダル2個を獲得し、さらなる飛躍を見せた。
 佐藤選手のレース用車いすの開発・製造に長年携わってきたオーエックスエンジニアリングの小沢徹さん(54)は、佐藤選手を「有言実行の人」と評する。競技を始めたばかりの頃、「パラリンピックに出場できるようになったら、車いすを提供してもらえないか」と言われたという。その言葉通りにパラ出場を決め、同社のサポート選手となった。「一度言ったことに対して結果を出してくれる」と、全幅の信頼を寄せる。
 陸上用車いすは、他の競技用車いすと比べて全長が長く、大小合わせて三つの車輪で構成されるのが特徴だ。小沢さんによると、佐藤選手は力が加わっても変形しにくい「剛性の高い」フレームを重視。カーブでは遠心力でフレームが変形することがあり、タイヤをこぐ姿勢にも影響が出るという。「なるべく体勢を維持できるよう、剛性の高いものが好きなようだ」と小沢さんは語る。
 佐藤選手との付き合いは10年以上になるが、「良い成績を取って一緒に喜べるときはうれしい」と表情をほころばす。2冠を達成した東京大会は残念ながら無観客だったが、パリでは「多くの人に注目され、応援される大会になるといい」と願っている。 
[時事通信社]

最新ニュース

写真特集

最新動画