「やり切ったという泳ぎを」=パラ競泳・川渕選手ら指導―「宮前ドルフィン」の稗田さん〔パラリンピック〕
パリ・パラリンピックの競泳には、神奈川県のスイミングクラブ「宮前ドルフィン」出身の選手3人が出場する。同クラブ代表でコーチを務める稗田律子さん(72)は「やり切ったと思える泳ぎをしてきてほしい」と、教え子たちにエールを送る。
宮前ドルフィンには身体障害や知的障害を持つ選手ら約30人が所属している。日本選手団最年少の川渕大耀選手(15)は今回がパラ初出場。男子400メートル自由形(S9)で決勝に進み、7位に入った。稗田さんは「長い腕を生かしたストロークが強み。平常心を失わず、肩の力を抜いて泳いでほしい」と語っていた。
ほかに教え子では、以前同クラブに所属していた日向楓選手(19)=中央大=が2大会連続で出場する。同じく連続出場となる芹沢美希香選手(24)も、女子100メートル平泳ぎ(SB14)などに臨む。
日向選手は今年5月、ジャパンパラ水泳競技大会の男子100メートル自由形(S5)で日本新記録をマークした。50メートルバタフライなどにも出場予定で、稗田さんは「パリでも自分が満足できる泳ぎができるといい」と期待する。芹沢選手についても「試合でどう泳ぐかを自分で考えて発信できるようになった」と、東京大会からの成長を感じている。
選手それぞれが持つ障害によって指導内容は異なるが、稗田さんが指導する生徒たちに共通して教えてきたのは「あいさつ」などの基本的なことだ。「水泳を通して経験したことや学んだことが社会生活に生きれば」という思いが根底にある。
だからこそ、結果にはあまりこだわらない。パリ大会に臨む3選手にも「悔いのない泳ぎをしてきてほしい」と願っている。
[時事通信社]
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