知事パワハラ、新たな疑惑指摘=職員アンケート、証人尋問も実施―兵庫県議会
兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを巡り、県議会の調査特別委員会(百条委員会)は23日、県職員アンケートの中間報告を公表した。「視察先でエレベーターに乗り損ねたことに激怒して、県職員に大声で怒鳴りつけた」など複数の新たな疑惑が指摘された。また同日、百条委は県職員への証人尋問を非公開で初めて実施した。
アンケートは、職員約9700人を対象に行い、14日に締め切った。今回は5日までに寄せられた4586件の回答を集計。パワハラを「目撃(経験)などで実際に知っている」との回答は59件あり、「人づてに聞いた」などを合わせると計1750件で、回答の約4割を占めた。物品提供を求める「おねだり」疑惑に関しては約2割だった。
回答では、エレベーターでの叱責のほか、「随行職員が用意されたカニの受け取りを断ったのを聞いて、私がもらうと言ってその分も持ち帰った」などの記述があった。その一方、「高価でない特産品、手土産であれば、知事以外も含め、社会通念上の範囲で受け取っている事例は多くあると思われる」といった意見も見られた。
23日の証人尋問は、斎藤氏のパワハラ疑惑に絞って県職員6人を対象に非公開で行われた。証人保護の観点から、氏名や出頭を求めた理由は明らかにしなかった。斎藤氏に対する証人尋問は30日に予定している。百条委終了後に記者会見した奥谷謙一委員長は「知事は、注意はするが業務上必要な範囲だと発言している。どのあたりが業務上必要な注意だったかしっかり確認したい」と語った。
斎藤氏は23日午後、パワハラを見聞きしたとの回答が約4割に上ったことについて、「大変残念な思いだ。重く受け止めなければならない」と県庁で記者団に語った。記述内容に関しては「伝聞に基づくものも多く含まれている」と指摘し、「今後の調査で(真偽を)明らかにすべきものだ」と強調した。
[時事通信社]
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