米大統領、ガザ合意へ軟化要求か=イスラエル首相は譲らず
【ワシントン、カイロ時事】パレスチナ自治区ガザの停戦交渉を巡り、バイデン米大統領は21日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談した。バイデン氏はガザ南部の対エジプト境界地帯へのイスラエル軍駐留に関し、撤退を拒否するネタニヤフ氏に態度軟化を促したとみられる。ただ、イスラエルのメディアは22日、ネタニヤフ氏が主張を譲らなかったと伝えた。
境界地帯は「フィラデルフィ回廊」と呼ばれ、全長約14キロ。イスラエルはイスラム組織ハマスの武器密輸ルートになっているとして管理権を掌握したい意向で、交渉の争点となっている。
バイデン氏は電話会談で、停戦合意が早急に必要だと強調。「残された障害を取り除くため」として、近くエジプトの首都カイロで再開される予定の交渉について議論した。
回廊の軍駐留に関しては、ネタニヤフ氏が譲歩を示したとも報じられたが、イスラエル政府関係者は地元メディアに、管理と部隊駐留についてネタニヤフ氏は「態度を変えていない」と否定。ハマスもイスラエルのガザ作戦終了と軍部隊の完全撤退を求めており、歩み寄りは見られない。
カタールのメディアは22日、米国が先にエジプトに対し、フィラデルフィ回廊に国際部隊を駐留させ、イスラエルが同部隊を監督する仕組みを提案したと報じた。エジプトに同部隊への参加を要請したという。
一方、イスラエル軍は22日、ガザ中部と南部で軍事作戦を強化したと発表。軍は過去24時間の作戦で、ガザ最南部ラファで戦闘員約50人を殺害したと説明した。ロイター通信は、21日夜から22日未明にガザ全土に行った攻撃で少なくとも22人が死亡したと伝えた。
[時事通信社]
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