米長官、ネタニヤフ首相と会談=ガザ停戦へイスラエルに圧力
【カイロ時事】イスラエル入りしたブリンケン米国務長官は19日、ネタニヤフ首相と約3時間にわたり会談した。内容は伝えられていないが、パレスチナ自治区ガザで交戦するイスラム組織ハマスとの停戦交渉妥結に向け、圧力をかけたとみられる。イスラエル首相府は声明で、会談は「前向きだった」と述べた。ただ、イスラエルとハマスは互いに相手を非難しており、歩み寄れるかは未知数だ。
イスラエルや仲介国の米国、カタール、エジプトの高官は15、16両日にカタールの首都ドーハで交渉。米国はイスラエルとハマスの主張の溝を埋める「橋渡し案」を提示した。ネタニヤフ氏はブリンケン氏との会談の中で、同案への支持を表明したという。ただ、ハマスは否定的立場を取っている。
ブリンケン氏はネタニヤフ氏との会談に先立ち、記者団に、橋渡し案が妥結への「最善で、最後の機会だ」と強調。「(停戦に向け)今こそ全員がイエスと言う時だ」と述べた。外交当局者の間では、停戦に至れば、中東情勢の緊迫化に歯止めをかけられるという期待感も出ている。
しかし、ネタニヤフ氏は18日の閣議で「ハマスはドーハでの交渉に代表団を送らなかった。圧力をかけられるべきなのはイスラエル政府ではなく、ハマスとその最高指導者シンワルだ」と述べ、ハマスへの不信感をむき出しにしていた。
一方、ハマスは18日の声明で、橋渡し案について、恒久停戦とイスラエル軍のガザ撤退を拒否するネタニヤフ氏の意向に沿った内容だとして反発。ネタニヤフ氏は「合意の邪魔をしている」と批判した。
停戦交渉は近日中にエジプトの首都カイロで再開される予定。ブリンケン氏は20日にエジプトに移動する。交渉は難航が予想されるが、バイデン米大統領は18日、「(停戦は)まだ可能だ。諦めていない」と記者団に語った。
[時事通信社]
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