防げ夜間熱中症、企業が対策=新素材パジャマ、AIエアコン
全国的に猛暑日や熱帯夜が続く中、企業が夜間の熱中症対策に力を入れている。快適な睡眠をサポートするパジャマや、人工知能(AI)を活用したエアコンを販売。朝まで冷房を使い続けることを推奨し、発症防止につなげようとしている。
グンゼは4月、新素材を使った「アセドロン」シリーズのパジャマを発売した。吸湿性が高いレーヨンと乾きやすい素材のポリエステルを混合してさらっとした触感を実現。商品企画に携わった担当者は「快適に過ごすには汗をよく吸う素材を選ぶことが大切だ」と強調する。
家電大手のお薦めはAIを活用したエアコン。温度・湿度を調整したり、設定履歴を学習して運転を最適化したりする機能を搭載する。パナソニックの「エオリア」は、センサーで人の存在を検知すると運転を開始し、不在感知後3時間たつと停止する。シャープのエアコンクラウドサービス「COCORO AIR(ココロ エア)」は、起床や帰宅の時間など生活パターンを読み取り、最適な設定方法を提案する。
ダイキン工業は、エアコンのタイマーを利用して就寝すると、朝方に熱中症リスクが高まるとの調査結果を公表した。「つけっぱなし」の方がリスクが低いという。同社は「湿度設定を50~60%に」「風力は『自動運転』が最も効果的」「風の向きは上向きか水平方向に調整」などと具体的な設定をホームページなどで紹介している。
「つけっぱなし」で気がかりなのは電気代だ。エネルギー価格高騰に伴い、家計の負担は増している。関西電力は、エアコンを夜間8時間使用した場合の電気代を約164円と試算する。
電気代を抑えたい消費者のニーズに応える商品も登場。山善はソーラーパネルを備えたコンパクトクーラーを今夏発売した。ベランダなどで昼間に充電し夜間に使用できる。担当者は「エアコンの取り付けづらい部屋で使え、夜間の熱中症対策にも適している」と話している。
[時事通信社]
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