首相不出馬、株売り買い交錯=一時上昇も反応薄く、円相場も
岸田文雄首相による自民党総裁選への不出馬表明を受けた14日の東京株式市場は、売り買いが交錯する不安定な展開が続いた。同日午前に不出馬が報じられた後には日経平均株価が一時、前日比400円超まで上げ幅を広げる場面もあったが、短時間で値を消した。「ポスト岸田」レースの行方は不透明で、株式市場の反応は限られた。
「次の首相が誰か分からないし、政策も分からないため、市場の反応は中立だ」。突然の不出馬表明にも銀行系証券の情報担当者は冷静に受け止めた。首相の政策に関しても「就任当初の分配政策などは嫌われた一方で、新NISA(少額投資非課税制度)の促進や、半導体工場誘致といったプラス面もある」(大手証券)といった声が聞かれ、市場の評価は定まっていない。
同日の日経平均の終値は209円92銭高の3万6442円43銭。一時600円超の下げ幅となった2020年8月の安倍晋三首相(当時)の辞任表明時や、一時600円超の上げ幅となった21年9月の菅義偉首相(同)の自民総裁選不出馬表明時と比べても反応は薄い。
東京外国為替市場では不出馬が報じられると、一時円高・ドル安が進んだ。「候補者とされる茂木敏充幹事長や河野太郎デジタル相が円安修正派と見られていることが影響した」(国内証券)との見方があるが、その後は円安に振れるなど、こちらも影響は限定的だった。
[時事通信社]
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