2024-08-13 14:17経済

「トラックGメン」機能強化=運輸局に是正権限付与―国交省

 国土交通省は、運送現場で適正な取引が行われているか監視する「トラックGメン」の機能強化に着手した。本省から地方運輸局に対し、荷主企業や元請け企業を是正指導する権限を付与。スピード感を持って、きめ細かく対応する狙い。荷主や元請けと比べて立場が弱い下請けの運送会社を保護し、物流が停滞する「2024年問題」の解決を目指す。11、12月には「集中監視月間」として全国的に対策を強める予定だ。
 トラックGメンは昨年7月に創設し、本省や運輸局に162人を配置した。運送会社の営業所への電話による問い合わせや荷主への巡回を実施。長時間の荷待ちをはじめとした違反やその疑いがあれば、荷主や元請けに対して貨物自動車運送事業法に基づく是正指導をしている。
 今年6月からは、荷主などに対して、取引の自主点検を求める働き掛けの実施を運輸局が判断できるようにした。違反の解消に向けた要請も可能にした。また、是正指導の対象を本社から営業所レベルに細分化し、改善を促しやすくした。
 本省が運輸局の情報を集約した上で、同一荷主の複数営業所での違反などを確認し、是正につなげる手法も見直した。運輸局間で荷主に関する情報を逐次共有できるよう、年度内にデータベースを立ち上げる。
 このほか、運送事業の適正化を図る業界団体である各都道府県のトラック協会とも連携を強化。各地の協会の「適正化事業調査員」が巡回調査で得た情報を、国交省のGメンと共有する仕組みが今秋にも稼働する。 
[時事通信社]

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