台風5号、岩手・秋田横断=記録的大雨、氾濫や土砂災害警戒
台風5号は12日午前8時半ごろに岩手県大船渡市付近に上陸し、同県と秋田県を横断して午後8時ごろに日本海へ抜けた。岩手県久慈市では記録的な雨量となり、一時、5段階の警戒レベルで最も高い緊急安全確保が発令された。気象庁は河川の氾濫や低地の浸水、土砂災害に厳重な警戒を呼び掛けた。
久慈市(下戸鎖)では午後4時50分までの48時間雨量が481.5ミリ、岩手県大槌町では午後8時20分までの同雨量が319.0ミリに上り、いずれも観測史上最多記録を更新した。同県内では久慈川など多くの河川が増水し、岩泉町や釜石市で住宅の床下浸水が生じた。
台風が東北地方に太平洋側から上陸したのは、気象庁の1951年の統計開始以来、3例目。5号は、13日には津軽海峡の西方海上で熱帯低気圧に変わるが、動きが遅くなり、日本海側の雨量が増える恐れがある。
5号は12日午後8時、秋田県能代市付近の海上を時速15キロで北西へ進んだ。中心気圧は996ヘクトパスカル、最大風速20メートル、最大瞬間風速30メートル。北東側330キロ以内と南西側220キロ以内が風速15メートル以上の強風域。
大船渡市では午前8時20分すぎに最大瞬間風速27.3メートル、青森県八戸市では午前6時15分に同21.5メートルを観測した。
13日午後6時までの24時間予想雨量は多い所で、北海道150ミリ、東北120ミリ。その後、14日午後6時までの同雨量は北海道120ミリ、東北100ミリ。
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