「精神的ストレス」20年で3倍=健康へのリスク要因―厚労白書
政府が月内にもまとめる2024年版厚生労働白書の概要が10日、判明した。健康にとって最もリスクとなる要因を「精神的なストレス」と答えた人の割合が、20年前と比べ約3倍に増えたとする厚労省の調査を紹介。「こころの健康と向き合う視点が、ライフステージ全般を通じて重要だ」と分析している。
うつ病や適応障害、摂食障害などの精神疾患を抱える外来患者数は、20年時点で約586万人。白書は、就職や子育て、介護に加え、インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷などストレス要因が多様化していると説明した。
その上で、厚労省が24年に数千人規模で実施した心身の健康などに関する意識調査の結果を掲載。健康状態への最大のリスクについて、最も多かったのは「生活習慣病を引き起こす生活習慣」(36.4%)だった。一方、「精神病を引き起こすようなストレス」と答えた人は15.6%。その割合は04年の5.0%から約3倍に増え、生活習慣の次に多かった。
また、「こころの健康に良い影響を与えている人」についても尋ねたところ、最多は「同居の家族」の36.5%。単身者の場合は、信頼関係を構築している友人・知人の存在が精神面に良い影響を及ぼしている可能性があるという。
厚労省は、33年度末までに地域や職場でメンタルへルスの問題を抱える人を支援できる「心のサポーター」を100万人養成する目標を掲げている。
[時事通信社]
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