2024-08-10 09:47スポーツ

自身も驚く逆転技=窮地乗り越えた元木―レスリング〔五輪〕

女子62キロ級準決勝、勝利を決め、喜ぶ元木咲良(下)=9日、パリ

 豪快な大技での逆転劇に、本人が一番驚いていた。女子62キロ級の元木は「神様が助けてくれた」。銀メダル以上が確定した安堵(あんど)感が、涙となってこぼれ落ちた。
 劣勢となった準決勝は、残りおよそ2分で2―7とリードされた。「完全に研究されていた。絶対に勝てないと思った」
 懸命に攻めようとしたが押され、あおむけに倒されかける。「何点差ついてもフォール負けは駄目」。必死にブリッジで逃れようと上体を反らせると、これが奏功して相手の体が宙に浮いた。反り投げが鮮やかに決まり、さらに無我夢中で相手の両肩を押さえてフォール勝ち。「怖いから練習でもやったことがない。本当にたまたま」。とっさの反応が勝利につながるのも、日々の厳しい鍛錬のたまものだろう。
 「もう何も怖いものはない。思い切り攻めて金メダルを取りにいきたい」。心をよぎった敗北の恐怖を払拭した今、あとは頂点への1勝をつかみ取るだけだ。(時事)
[時事通信社]

女子62キロ級準決勝、ノルウェー選手を攻める元木咲良(左)=9日、パリ

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