終わり見えず「子どもは絶望」=ガザ人道状況の悪化続く―ユニセフ広報官
国連児童基金(ユニセフ)のサリム・オウェイス広報官は、パレスチナ自治区ガザで「激しい攻撃が続き、状況は日々悪化している。戦闘の終わりが見えず、子どもたちは絶望している」と述べ、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突長期化に伴い人道状況がさらに悪化していると訴えた。視察先の現地から8日までに、時事通信のオンライン取材に応じた。
オウェイス氏は1日から、ガザ中部の病院や避難民が身を寄せるテントを訪問。「話をした子どもたちは、まず『戦争はいつ終わるの』と聞いてきた」という。「劣悪な環境の中、毎日を生き延びるのに精いっぱいで、貴重な子ども時代を奪われている」と語り、水や食料など生活必需物資を支援する重要性を強調した。
衛生状態の悪化も深刻で、下水処理施設が空爆などによって破壊され、汚水が街にあふれ出ていると説明。発疹症状が出ている子どもが多く「悲惨な状態だ」と述べた。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、ガザでは戦闘が始まった昨年10月以降、汚染された水などを介して広がるA型肝炎の感染例が約4万件確認された。7月下旬には下水からポリオウイルスが検出され、さらなる感染症流行が懸念されている。
[時事通信社]
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