「怖がり」だった少女、9位=高飛び込み・荒井選手〔五輪〕
女子高飛び込みで9位だった荒井祭里選手(23)=JSS宝塚=は五輪2回目。東京大会は予選敗退で終わり、悔しさを味わった。雪辱を果たすべく、やって来たパリで決勝の舞台に立った。
兵庫県出身。小学1年の時、地元で強豪選手を輩出する水泳教室に通い始めた。今も指導を続ける馬淵崇英コーチ(60)は「最初は『高いところが怖いから飛ばない』『しんどいからやりたくない』と泣いて帰ることもあった」と振り返る。
荒井選手の転機は中学2年の時に訪れた。教室に通う先輩たちが表彰台に上る姿に「先輩のようなトップ選手を目指したい」と目覚め、逃げずに練習に打ち込むように。馬淵コーチは「人ってこんなに変わるのか」と思うほどの変化を感じた。
そんな荒井選手の最大の武器は「身軽さと入水感覚」という。高飛び込みは入水時に水しぶきが少なければ少ないほど良いとされるが、馬淵コーチは「プサーっと入ったら水しぶきも泡も出ない」と語る。
表彰台に上りたい。オリンピックに出たい―。上を目指すようになった荒井選手は高校時代に全国大会を3連覇する。活躍はチーム全体の底上げにもつながり、教室には「飛び込みをやりたい」という希望者が増え、キャンセル待ちが必要になったほどという。
[時事通信社]
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