高まる中国企業の存在感=スポンサー、グッズ製造も―パリ五輪〔五輪〕
世界的なスポーツイベントで中国企業の存在感が高まっている。パリ五輪では2社が最高位スポンサーを務め、資金面で大会を支える。ユニホームや関連グッズの製造を請け負っている中小企業も多く、国際オリンピック委員会(IOC)の関係者は「今や中国なしで五輪は成り立たない」と認める。
「世界が中国人の強さを目にするだろう」。中国乳業大手、蒙牛乳業のホームページには愛国心をくすぐるメッセージが掲載されている。同社は電子商取引大手アリババ集団とともに最高位スポンサーに名を連ねる。北京市内のスーパーでは、五輪マークをデザインした商品の特設コーナーが設けられていた。
中国メディアによると、パリ大会に協賛などの形で関わる中国企業は約40社に上る。日系食品メーカー幹部は「五輪は中国で効果的な宣伝機会と捉えられている」と指摘。2022年のサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会でも、中国代表は出場を逃したものの、中国企業の拠出した資金は世界最多と報じられている。
浙江省義烏にある世界最大級の卸売市場「義烏国際商貿城」を6月下旬に訪れると、五輪向けのスポーツ用品や国旗を取り扱う店舗が所狭しと並んでいた。報道によれば、今年1~5月に義烏からフランスへ輸出されたスポーツ用品は金額ベースで前年同期比70.5%増。パリ大会のマスコット「フリージュ」のぬいぐるみは約8割を中国企業が生産しているという。
国旗を扱う店の男性従業員は「春ごろは特に注文が多かった」と説明。「次の商機はW杯予選だ」と目を輝かせた。
[時事通信社]
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