2024-08-02 07:43スポーツ

破りかけた中国の壁=張本智、地力示した惜敗―卓球〔五輪〕

卓球男子シングルス準々決勝、ポイントを奪い、喜ぶ張本智和=1日、パリ

 あと少しで破れそうだった中国の壁。最終ゲームを失うと、張本智は思わずコート上にしゃがみ込んだ。「負けても自信は失わない。満足できている」。世界王者の樊振東に真っ向から挑み、そして惜しくも散った。
 相手に硬さが見える中、出だしは得意のバックハンドで打ち合って優位に進めた。2ゲームを先取しながらも、徐々に強打に対応され、巧みな台上技術でも揺さぶられた。だが、張本智も負けじと応じ、意地と意地をぶつけ合った。
 一進一退で迎えた第7ゲーム。中国勢は、こうした勝負どころで強い。こん身のフォアハンドドライブをブロックされてマッチポイントを握られると、最後も体の正面をうまく突かれた。「きょうは相手を褒めるしかない」と潔く結果を受け入れた。
 2016年リオデジャネイロ五輪の水谷隼以来となる表彰台には届かなかった。「メダルが全て。いいプレーをしてもメダルがなければ同じ」と言ったが、この日の内容は誇っていい。東京五輪の後、中国対策として特殊な技術を磨くのではなく、基礎的な能力を高めてきた張本智。蓄えた地力で互角に渡り合い、成長の跡を確かに示した。 (時事)
[時事通信社]

卓球男子シングルス準々決勝でプレーする張本智和=1日、パリ

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