コロナ禍後、東京集中に回帰=都道府県で唯一増加―住基人口
総務省が24日に発表した住民基本台帳に基づく1月1日現在の人口によると、日本人人口が前年より増えたのは47都道府県で東京都のみだった。コロナ禍で東京への人の流れはいったん落ち着いたものの、3年ぶりに増加に転じ、一極集中回帰の傾向が浮き彫りになった。
政府は2014年、「地方創生」を掲げて東京一極集中の是正に向けた施策を本格化させた。自治体も子育て環境の充実をはじめとした移住者誘致策を推進。コロナ禍では、テレワークの普及に伴い都外に転出する動きが見られるなど変化の兆しもあったが、社会経済活動が徐々に回復すると、長くは続かなかった。
民間の有識者でつくる「人口戦略会議」は今年4月、全国744自治体で50年までに若年女性が半減し、将来消滅する可能性があると報告。外国人人口の増加というプラス要因はあるものの、「少子化基調は全く変わっていない」と厳しい見方を示した。
政府も6月、これまで10年間の地方創生施策の課題を整理し、進学や就職に伴って若年人口が東京に流入していることが一極集中の主因だと分析。こうした流れを食い止めるため、特に女性や若者にとって魅力のある地域づくりを実現できるかがカギとなっている。
[時事通信社]
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