トランプ氏、バイデン氏撤退で高齢批判がブーメランに
【ワシントンAFP=時事】ドナルド・トランプ前米大統領は、対立候補のジョー・バイデン大統領に対して高齢批判を繰り返し、健康問題をめぐって攻撃し続けてきた。だがバイデン氏が選挙戦からの撤退を表明したことで、ブーメランのように自身も同じ問題を突きつけられる可能性が出てきている。≪写真はドナルド・トランプ前米大統領≫
大統領選の民主党候補となる公算が大きいカマラ・ハリス副大統領は59歳。78歳のトランプ氏は、はるかに年上の候補ということになり、衰えを示す兆候があれば、より注目を浴びることになる。
こうした状況について、アメリカン大学の政治学者マシュー・フォスター氏は「力学が一変した」とAFPに指摘した。
トランプ氏は、バイデン氏が撤退を表明した後も同氏の認知能力を攻撃し続け、「(翌朝)目覚めたら撤退したこと自体を忘れているのではないか」とSNSで嘲笑した。
だが、トランプ氏が勝利すれば、大統領就任時で米国史上最高齢となる。
トランプ氏は、言い間違いや失言も多く、支離滅裂な長広舌を振るうことも多々ある。
このような一面がトランプ氏の認知機能の衰えを示しているのか、一過性のものなのかは分からない。
トランプ氏は、暗殺未遂維事件からわずか5日後、ウィスコンシン州ミルウォーキーで開催された共和党全国大会で1時間半に及ぶ指名受諾演説を行い、支持者はスタミナの表れだと称賛した。
一方で、テレビ視聴者の中には、いつもよりかなり疲労した様子で、演説も弱々しいという見方もあった。
ABCが7月中旬に実施した世論調査によると、トランプ氏が再選を目指すには年を取り過ぎていると思うと答えた割合は60%に上った。
トランプ氏は、そうした懸念をはねつけ続けてきた。今年1月に受けた医師による認知機能テストでは「高得点」だったと主張している。
しかし、現職だったころとは異なり、ここ数年は実際の健康状態に関する情報はほとんど公表されていない。【翻訳編集AFPBBNews】
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