創業家会長、社長の辞任発表=小林製薬、「紅麹」問題で引責―記者会見開かず
小林製薬は23日、創業家の小林一雅会長(84)とその長男である小林章浩社長(53)が辞任する人事を発表した。「紅麹(べにこうじ)」配合サプリメントによる健康被害の拡大を招いた経営責任は重いと判断した。後任の社長には山根聡専務(64)を充てる。創業家以外の社長は初めて。新たな経営体制で被害者への補償と問題の原因究明、再発防止に取り組むことになるが、トップ交代に伴う記者会見は開かなかった。
一雅氏の退任は同日付で、取締役も辞任し特別顧問となった。社長交代は8月8日付。章浩氏は代表権のない取締役として残り、補償を担当する。
小林製薬は4月、外部弁護士で構成する「事実検証委員会」を設置し、客観的な調査を委嘱。今月22日に検証委からの報告を受け、23日の臨時取締役会で一連の問題に対する総括を行い、トップ交代を決議した。記者会見を開かなかった理由について「報道発表文に伝えたい内容はすべて盛り込んだ」(広報)と説明した。
発表文によると、取締役会は経営の問題点について「健康被害の発生・拡大防止を最優先に考えることができず、消費者への注意喚起や製品回収の判断が遅れてしまった」と総括した。章浩社長については「危機対応においてリーダーシップを発揮できず、行政報告や公表の遅れを招いた経営責任は重大だ」と指摘した。
章浩氏は役員報酬月額の50%を、山根氏は同40%を自主返上する。対象期間はいずれも今年1~6月の6カ月間。
[時事通信社]
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